尺度の妥当性

今日のミーティングで考えたこと。


QOL尺度の研究・開発をしています。

医学系だとGold Standardとなりうるものが存在する(しやすい)ので、
尺度開発をしていても面白い瞬間に出会えることがあります。

Gold Standardは、絶対的な基準ということですが、
例えば血液検査のマーカー等があります。

開発している尺度の得点と、
その患者さんの状態を反映する血液検査の結果とが
関連していて、解釈可能であれば、尺度の妥当性が示されたということになります。

尺度開発をしている立場、研究の立場からすると
尺度の得点とGold Standardが強く関連していれば良い結果なのですが、
実際に臨床現場の立場に立つと、良いことではないんです・・。

なぜかと言えば、尺度に回答を求めるということは
それだけで十分な手間、負担がかかります。
なのに、そこから得られる結果が、血液検査の結果とほぼ同じということに
なると、誰もその尺度は使ってくれません。

かなり大きなジレンマです。

理想的なのはGold Standardとは、そこそこの関連を持ちつつも、
Gold Standardとは別のものを測定している尺度でしょうか。

もっと言うと、「有益な別のもの」を測定しているという尺度が
良い尺度かなと。

心理学分野の尺度開発においても、同じことが生じます。

粗い言い方をすれば、
A尺度を開発していて、類似のB尺度との相関が高いということは、
B尺度を使えば良くて、A尺度を開発する必要はないよね・・・
ということになります。

今更ながら改めて難しさを実感しているところです。